帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹後神経痛(PHN)とは、皮疹が消失し、帯状疱疹が治癒した後も続く痛みのことを指します。帯状疱疹の後遺症といわれる状態です。帯状疱疹に伴う合併症で最も多く、帯状疱疹を発症した50歳以上の2割、80歳以上の3割の方が発症するといわれています。
帯状疱疹後神経痛の特徴
- 3~6ヶ月経過して発症する神経痛
- ヒリヒリした灼ける、針で刺される、締め付けられる、切り裂かれるような痛み
- 衣服が軽く触れただけでも激痛が走る
- 強い痛みにより不眠を伴う
などが挙げられます。
激しい痛みによって日常生活が制限され、寝たきりになってしまうこともあり、必然的に筋力も低下し、著しく体力を消耗してしまうこともあります。
帯状疱疹後神経痛に移行するリスクが高い方
- 高齢者
- 女性
- 重度の急性疼痛(発症してからの痛みが強い)
- 前駆症状(皮疹が出現する前の疼痛)がある
- 広範囲や重度の皮疹
治療法
現時点で後遺症化したPHNに対する確実な治療法はなく、内服薬での対症療法が中心となります。また当院では局所麻酔薬含有軟膏(自費)の取り扱いもございます。ご要望の方はご相談ください。
このように帯状疱疹の治療はできる限りPHNへの移行を防ぐことが重要であり、後遺症化が予想される帯状疱疹では早期からの神経ブロック注射が有用と言われています。
帯状疱疹発症後3カ月までを目安に、当院では集中的に各種神経ブロック注射の治療を行っております。
また近年、脊髄刺激療法の導入が重症帯状疱疹に対して一定の効果が得られたという文献報告が複数なされており、各種神経ブロック注射でも改善が乏しい症例に対しては、日本医科大学多摩永山病院麻酔科と協力して脊髄刺激療法も行っております。
強い痛みが続く帯状疱疹を患っている方は、おかかりの先生とご相談の上、出来るだけ早期に当院までご相談ください。